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スローサイクリング―自転車散歩と小さな旅のすすめ (平凡社新書)
スローサイクリング―自転車散歩と小さな旅のすすめ (平凡社新書)
スローサイクリング―自転車散歩と小さな旅のすすめ (平凡社新書)
白鳥 和也
定価: ¥ 924
販売価格: ¥ 924
人気ランキング: 68769位
おすすめ度:
発売日: 2005-07
発売元: 平凡社
発送可能時期: 通常24時間以内に発送
企画はバッチリ。でも文章が……
「スローサイクリング」というテーマにはすごく惹かれるし、
内容も「スロー」に相応しい、叙情的なトーンを「意識した」作りになっている。
決して自然な感じではなく、肩に力を入れてリラックスポーズを苦労して作りあげた感じだ。
やはり、この著者は文章がマズい。特に致命的なのは比喩。
下手なのは仕方ないとしても、いちいち言い訳を挿入するのはやめてほしい。
さらに、言い訳を妙な虚栄心て飾り立ててあるから余計に質が悪い。
そんなのは「寄り道」ではなく、地下鉄の敷設工事中で、昼間だけ一時的に穴を埋めている道を走らされているようなもんだ。
せっかく景色を楽しんでいても、不意に襲ってくる振動にいちいちケツを浮かさねばならず、不快この上なかった。
スローサイクリングをテーマにするなら、文章でもスローサイクリングさせてくれ。
少なくとも、もっと肩の力を抜いて書いてくれ。
先導者が「無理」していると、着いていく方が疲れちゃうよ。
「歌を口ずさむように」自転車に乗れ
自転車文学研究室主宰の白鳥氏、前作「素晴らしき自転車の旅」では自転車でのグランツーリズムを「長い本を読み通す」ことに喩えていましたが、今回は、自転車での日帰り小旅行を「歌や詩を口ずさむようなもの」と表現しています。分かったような分からないような比喩ですが、自転車好きを自称するほどの者であれば、その心は分かりたいものです。
さて、本書ですが、件の白鳥氏が、日帰りツアーに焦点を当てつつ、自転車に乗る楽しみや歓びを、またしても流麗な文章で語りまくるという趣向です。前作よりもいっそう文学的な語り口に傾いているほか、人間が自転車に乗る意味のようなものにまで立ち入りかけているようです。すなわち、氏によれば「自転車は人間の乗り物」であり「その人の全霊と魂と身体の乗り物」であって、「場合によっては、人間について、ほかならぬあなた自身について、何かを無言で語ることさえありうる」のだそうです。
ちょっと気合が入りすぎて、もともと自転車に興味のない向きは思わず引いてしまうかもしれませんが、サイクリストやチャリダーにとっては、これくらいの思い入れがあった方がピンとこようというものです。
ということで、およそ自転車というものに一抹であれ興味を抱かれる方におススメしたいと思います。
鉄道ファンにはお奨めです。
自転車のさまざまな楽しみ方を教えてくれるという意味において大
変参考になった。都市を走り田園を走り、水辺を走る。あちこちを
走破した筆者がその楽しみ方を教えてくれる。
サイクリングと旅にもかなりのページを割いている。電車や船、さ
らにはキャンピングカーなど、自転車と他の移動手段と組み合わせ
ての「小さな旅」を勧めてくれる。筆者が鉄道が大好きであるとい
うこともあり、鉄道との組み合わせにいろいろと参考になるところ
が多いといえる。
ただ、私自身は鉄道との組み合わせにあまり興味がなかった、とい
うか、近隣を走るのに精一杯というレベルであったので、今後の参
考ということで期待していたほどは、即効性のあるアドバイスには
ならなかった。その点は残念。
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